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第29回(一社)静岡県建設業協会賞 受賞作品講評

第29回(一社)静岡県建設業協会賞に寄せて

●第29回(一社)静岡県建設業協会賞に寄せて

静岡県交通基盤部長  長島 郁夫

一般社団法人静岡県建設業協会及び会員の皆様におかれましては、建設業の発展と本県の社会資本整備に多大な貢献をいただきますとともに、日ごろから公共事業の円滑な執行に格別の御理解と御協力をいただき、厚く御礼申し上げます。

今回の受賞された工事は、いずれも現場条件、自然条件、周辺環境条件等を的確に判断し、創意工夫により技術的課題を克服している優れた工事と感じました。工事の担当者を始め、関係の皆様の御尽力に敬意を表するとともに、今後とも他の模範となりますよう、より一層の御活躍をお祈りいたします。

交通基盤部では、昨年開通した新東名を始め、県内の陸・海・空の交通インフラが飛躍的に向上していく中、「内陸のフロンティアを拓く取組」などの魅力ある地域づくりの実現に向け、その礎となる社会基盤の整備を着実に進めており、平成25年度は、新たな社会資本整備の5か年計画を策定していく予定です。

新たな計画の中では、未曾有の大災害を受けた東日本大震災を踏まえ、今後想定される南海トラフの巨大地震に備えるため、大規模かつ広域的な災害リスクの低減を図り、県民の生命・財産を守ることを最重点目標に位置付け、災害に強い社会基盤整備の推進とともに、老朽化が進む社会基盤施設の適切な維持管理・更新についても重点化し、実施していく必要があると考えております。

また、国におきましても、現在、日本再生に向けた緊急経済対策として、防災・減災に重点を置いた国土強靱化の推進を行っております。県といたしましても、一刻も早い防災対策を進めるため、建設業の皆様と連携しながら、公共事業の円滑な執行に向け取り組んでまいりたいと考えておりますので、引き続き、御支援、御協力をお願いいたします。

結びに、貴協会のますますの発展と会員の皆様の御繁栄、御活躍をお祈り申し上げます。

●第29回 土木部門講評

土木部門審査委員長  岩田 良明(静岡県交通基盤部理事)

静岡県建設業協会員の皆様におかれましては、日頃から本県の社会資本整備にご協力頂きまして、感謝申し上げます。このたび第29回静岡県建設業協会賞土木部門の審査を国土交通省、静岡県、関係団体、静岡県建設業協会の6名で審査しましたので、その結果を報告します。

静岡県建設業協会賞土木部門には、18点の作品の応募があり、最終的に6作品が受賞することとなりました。今回の応募作品に共通しますことは、各現場の担当者が、土木技術者としての誇りをもって、経験にもとづくアイデアや現場のチームワークにより、厳しい現場条件を克服し、工事を完成させたことであり、受賞にはもれた作品もすばらしいものばかりでした。

最優秀賞は、中豆建設(株)が施工しました『平成22年度一級河川修善寺川地域自立・活性化交付金(河川)工事(擁壁護岸工)』が審査員全員一致で選出されました。この工事は、伊豆の代表的観光地である修善寺温泉の狭隘な県道で、護岸と一体となった歩道を整備する工事です。現場は、伊豆でも有名な観光地であることから、時間的・空間的な制約を強く受ける施工条件の厳しい状況でありましたが、地域と十分なコミュニケーションを図るとともに、利用者や作業員の安全対策、河川汚濁対策などに配慮したことが高く評価されました。

優秀賞の1点目は、(株)石井組が施工しました『平成22年度246号小山地区法面防災工事』で、台風により被災したトンネル坑口上方の法面に法枠を設置する工事であります。現場は国道246号という主要幹線道路であり、施工中における国道への2次災害を防止するために、被災後ブルーシートで被覆保護された施工範囲を5区分し、区分ごとに施工する工夫がなされ、さらに法面工自身が自ら親綱点検を行うシステムを構築するなどの安全対策が評価されました。

優秀賞の2点目は、須山建設(株)が施工しました『平成22年度市単独道路防災事業(市)大久保志都呂線道路防災工事』であり、この工事では、当初設計を自らの経験をもとに、工法比較にまでさかのぼり、工法そのものまで変更して施工したものであります。静岡県建設業協会賞の審査基準は、施工方法、難易度、工夫、安全管理など施工上の取り組みについて評価することとしていますが、よりよい構造物をつくるために担当者と会社が一体となって取り組んだことについて、審査員全員が共感したものであります。

優良賞の1点目は、木内建設(株)が施工しました『平成22年度由比地すべり山中抑制WA-5工事』で、深さが60mにも及ぶ集水井をレーザー光線機器という新しい技術を積極的に取り入れることにより、高い精度で施工したものであります。また、現場でのアイデアとして、排土用バケットおよび吊り具フレームに蛍光塗料などを塗布し、作業中に目視で安全確認ができる工夫を行うなどの対策が評価されました。

優良賞の2点目は、平井工業(株)が施工しました『平成21年度公農災第2号城濠用水災害復旧その1工事』であります。この復旧工事では、施工に必要な資料が少ない状況にもかかわらず、日本古来の土木技術と近代的な技術の組み合わせることにより、より強固な石積みを復元させるとともに、デザインチョッキなどにより、市民の関心を積極的に取り込み、土木工事の重要性を強くアピールしていることが評価されました。

優良賞の3点目は、大河原建設(株)が施工しました『平成23年度災害復旧事業蓬莱橋災害復旧工事』で、台風により流失した約100m区間の木橋を復旧したものであります。この橋梁は、世界一長い木の橋としてギネス公認を受けており、全国から多くの観光客が訪れる貴重な土木構造物であり、この歴史的な木橋をきれいな仕上げで復元できたことが評価されました。

最後に、このような困難な工事を、みごとに完成できましたのは、土木技術者としての情熱と日々の業務での知識集積、さらに新しい技術を積極的に導入した賜物であり、施工しました会社と担当者のご努力に敬意を表します。
 今後も益々のご活躍をご期待申し上げます。

●第29回 建築部門講評

建築部門審査委員長 山崎 善利

第29回(一社)静岡県建設業協会賞 建築部門には、昨年より4点増え16点の作品応募がありましたが、会員数、実建設数に対してより多くの応募を期待いたします。

次に審査経過の報告を記載します。建設業協会推薦の一次審査員による、16点の応募作品に対する審査資料を参考に、6名(国、県、関係団体、建設業協会で構成する)の審査委員により、1月25日に第一回審査委員会を開催しました。協会の審査基準4項目+メンテナンスについて、当日配布された一次審査書及び事前に配布された全作品の応募資料を基に2時間余にわたる審査委員全員の積極的な意見交換、協議の結果、7作品を選出いたしました。

選考7作品に対し審査基準各項目の評価を確認、審査するために、建設地に赴き、工事担当者から工事期間中の評価項目についての補足説明や委員の質問に対しての応答を2日間(2月8日―西部~中部:2月14日―東部)にわたり実施いたしました。

2月22日最終審査委員会を建設業協会会議室に於いて開催し、最優秀作品1点、優秀作品2点、優良作品3点、特別賞作品1点を選び決定いたしました。

今回の受賞作品は、個性に富んだ選考結果になりました。市街地に建つ住宅、1つの敷地内に複数の小規模建物が配置された寺院、木造で高空間を創りだした教会、地場産の木材を豊富に採用した役場、学生や生徒の協力により無事故で完成した学校等、建築主、設計者の期待に十分に応えた作品でした。

本年も審査に伴い実施した現場見学に5名の技術者が参加しました。来年も継続していきたいですので、多数の参加を期待しています。

次回は30回を迎えます。この様な1つの団体、作品に対する表彰制度を30回もの長い間続けて来られた歴代会長様、役員、協会員の努力と支援が、継続の大きな力となってきたのです。今後も、会員皆様の積極的な応募を期待しています。

最優秀賞の河津建設(株)による『泰平寺境内整備計画』は、主要道路から20メートル以上の参道奥にほぼ長方形の敷地で立地しているにも関わらず、朝夕の通勤時間帯、観光シーズンでの工事車両による事故防止と近隣の住民対策には十分過ぎるほど工事関係者の安全意識が感じられました。
 各棟の不同沈下を極力防ぐ為、予め敷地全体に砕石を敷きつめ、後々の建物外周土間、池の工事におけるコンクリートのクラックを事前に防ぐことが出来ています。また、打ち放しコンクリート施工は、如何に美しく打設ができるよう数々の工夫が見事に表現され、鉄筋(結束線含む)、足跡の養生に靴カバー、雨天は全面にシートで覆う等、見栄え、品質に対する工夫やこだわりに大変な苦労が感じられました。整然と配置された6棟の高さ、屋根、壁、光、影、全てのバランスが素晴らしかったです。

優秀賞の(株)橋本組による『焼津市立小川中学校校舎耐震補強工事(建築工事)』は、学校建築の補強工事として、県、市、建設業者が長年に渡る、施工法、安全性、工期等の蓄積された多くの技術や意識が、建築後30年以上経過し実経験が薄れてきた時期に、改めて補強工事の重要性や工法、安全性、正確な工事工夫等を初心に帰り、真剣に検討された跡が強く感じられました。
 特に、アンカー長の確保、児童の安全対策と授業時間と施工との安全、騒音に関する工期の選定、解りやすい施工計画の掲示、進捗状況を常に先生、生徒、父兄が見学出来る様に工夫される等真剣な取り組み方により無事故で耐震補強工事が施工された事には、関わった人たちの一体感が強く感じました。

優秀賞の中村建設(株)、(株)鈴木組、(株)竹下一級建築士事務所の3社JVによる『浜松市天竜区役所及び天竜消防署建設工事』は、発注形式が「デザインビルド方式」での施工物件で、基本設計時に地場産である木材の使用、免震構造採用などの課題を克服して、内外空間、特に木材を来訪者を強烈に印象強く見せており、床、壁、見上げた天井の骨組は入館者を圧倒する空間となっています。特に感心した床の圧縮杉材は、強度的にも優れ、かつ美しく劣化も見られません。
 厳しい低コストの中でOMソーラー、免震装置の組み合わせ等省エネにも寄与しています。また、軸材に使用する木材は乾燥を十分にするため伐採時期を早くしており、免震の為の重量配分も事前に構造計算をして、建物の安全性や施工計画など課題の克服が強く感じられました。

優良賞の山本建設(株)による『(仮称)阿弥陀・郷土資料展示館建築工事』は、建設地が自然環境に恵まれた中山間地に位置し、ほどほどの傾斜地と山裾の平地部分を利用して建設されています。この地区の住民個人が大切に保存してきた阿弥陀仏(県重要文化財指定の仏像も多数ある)を一か所に集め、45度の傾斜の方形の屋根で階高が高い2棟の展示施設となっています。
 山際の石垣の施工には、裏山からの湧水の処理に苦労した後が感じられました。処理された水や自然形をした石材が、傾斜に続く庭園の小川、回廊の石、低い草木花等に生かされています。2棟の展示場は庭からの眺めが良いです。急勾配の屋根コンクリ打設と仕上げの施工に大変な苦労が感じ取れました。引き続き周辺整備を進めて素晴らしい景観創りを望みます。

優良賞の鈴与建設(株)による『学校法人静岡理工科大学/星陵高等学校新校舎建設工事』は、建物の立地条件が文句の言いようのない素晴らしい景観と環境の場所で、富士山を北東に望み、360度見渡しても障害となる物がない高台に立地しています。公共交通手段の無いことが唯一の不便ではありますが、3つの駅からの通学バスを生徒の登下校に合わせ運行し、生徒の安全の為大規模なバス駐車場が設けられており、広大な敷地での施工計画に苦労の跡がみられました。 数棟を残し解体、改築を繰り返し耐震補強まで施工した工事関係者は、生徒の移動に対する安全と工事の無事故対策等の配慮に十分に行ったと評価出来ます。
 教室スラブ、DT版、教室、廊下床仕上げ、境界壁、窓の納まり角部や入り隅のデティールが大規模な建物の所々に見られ上手く仕上がっています。大広間の階段の規模が学校とは思えない出来栄えを感じました。

優良賞の第一建設(株)による『巡庭の家新築工事』は、街中の住宅街に建てられた個人住宅で、大きな庭木を建物内に取り入れ、発注者はもとより、道行く人も和む景観で、環境に配慮された楽しい建物です。2階建ての上に数メートルも高く枝を張る2か所のガラスに囲まれた円形(筒状)の庭、余分な庇を極力無くしサッシュとゾロに納めてすっきりとした意匠となっています。また工事着工と同時に樹木の位置を出し先行して行った植栽やコンクリート打ち放し面等、随所に気を遣ったことが竣工に繋がったと強く感じました。

特別賞の平井工業(株)による『愛野めぐみ教会新築工事』は、この地区特有の強風対策、エコパでのイベント開催中の大量の人や自動車に対する安全対策、周辺住民への配慮を行い、狭い敷地形状を有効に活用して高い空間を必要とする教会建築の設計を木造で造っており、現場担当者の苦労、努力が全体出来形に表れています。小規模建築ならではの工程管理や段取り、教会内部の構造、特に建て方を初め小屋組みの無い垂直材の柱と屋根梁の納まりには、特殊で鉄筋ターンバックルにより地震、強風、近くを走る新幹線の振動等の難題を解決し施工された総合力、技術力に高い評価を感じました。

第29回(一社)静岡県建設業協会賞 入選作品一覧

土木部門

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最優秀賞

中豆建設(株)(三島協会)

平成22年度一級河川修善寺川地域自立・活性化
交付金(河川)工事(擁壁護岸工)
平成22年度一級河川修善寺川地域自立・活性化<br />交付金(河川)工事(擁壁護岸工) 平成22年度一級河川修善寺川地域自立・活性化<br />交付金(河川)工事(擁壁護岸工)

優秀賞

(株)石井組(富士協会)

平成22年度246号小山地区法面防災工事
平成22年度246号小山地区法面防災工事 平成22年度246号小山地区法面防災工事

須山建設(株)(浜松協会)

平成22年度市単独道路防災事業(市)大久保志都呂線道路防災工事
平成22年度市単独道路防災事業(市)大久保志都呂線道路防災工事
平成22年度市単独道路防災事業(市)大久保志都呂線道路防災工事

優良賞

木内建設(株)(静岡協会)

平成22年度由比地すべり山中抑制WA-5工事
平成22年度由比地すべり山中抑制WA-5工事 平成22年度由比地すべり山中抑制WA-5工事

平井工業(株)(静岡協会)

平成21年度公農災第2号城濠用水災害復旧その1工事
平成21年度公農災第2号城濠用水災害復旧その1工事 平成21年度公農災第2号城濠用水災害復旧その1工事

大河原建設(株)(島田協会)

平成23年度災害復旧事業蓬莱橋災害復旧工事
平成23年度災害復旧事業蓬莱橋災害復旧工事 平成23年度災害復旧事業蓬莱橋災害復旧工事


建築部門

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最優秀賞

河津建設(株)(下田協会)

泰平寺境内整備計画
泰平寺境内整備計画 泰平寺境内整備計画

優秀賞

(株)橋本組(島田協会)

焼津市立小川中学校校舎耐震補強工事(建築工事)
焼津市立小川中学校校舎耐震補強工事(建築工事) 焼津市立小川中学校校舎耐震補強工事(建築工事)

中建・鈴木・竹下特定建設工事共同企業体
(中村建設(株)、(株)鈴木組、(株)竹下一級建築士事務所3社JV)(浜松協会)

浜松市天竜区役所及び天竜消防署建設工事
浜松市天竜区役所及び天竜消防署建設工事 浜松市天竜区役所及び天竜消防署建設工事

優良賞

山本建設(株)(三島協会)

(仮称)阿弥陀・郷土資料展示館建築工事
(仮称)阿弥陀・郷土資料展示館建築工事 (仮称)阿弥陀・郷土資料展示館建築工事

鈴与建設(株)(清水協会)

学校法人静岡理工科大学/星陵高等学校新校舎建設工事
学校法人静岡理工科大学/星陵高等学校新校舎建設工事 学校法人静岡理工科大学/星陵高等学校新校舎建設工事

第一建設(株)(静岡協会)

巡庭の家新築工事
巡庭の家新築工事 巡庭の家新築工事

特別賞

平井工業(株)(静岡協会)

愛野めぐみ教会新築工事
愛野めぐみ教会新築工事 愛野めぐみ教会新築工事