出会いのひろば


ものづくり協議会の測量の部に女子のみのチームがオープン参加し好成績を収める
(2014年2月1日、県立科学技術高校で) 提供:(株)建通新聞社

 東日本大震災から3年が経過し、被災地では少しずつ復興に向け動き出しています。

 この大災害が、南海トラフによる大規模地震が想定される静岡県の若者の進路選択に影響をしているようです。

 今回は、静岡県立科学技術高校の都市基盤工学科の女生徒に志望の理由や将来の夢についてインタビューをしました。

 土木系女子による女性の感性を生かしたまちづくりや第一線で活躍する夢が実現することを願うとともに、静岡県の建設産業界で力を発揮することを期待しています。

(1)都市基盤工学科を志望した理由(わけ)は?
(2)目標に向け順調か?
(3)卒業後の進路は?


インターンシップ受け入れ企業などによる授業視察風景(6月27日)
提供:(株)建通新聞社

3年生 神尾 美月(みづき)

(1) 自分は土木には関心がなかったが、体験入学時のチラシを見て、まちづくりや土木に興味を覚えました。
 また、中学2年生の時の東日本大震災で、防災は自分のためになると考えて選びました。
(2) 入学までは、土木に関する知識が全くなかったし、専門的なものばかりで関心がなかったが、授業を受けていくうちに、暮らしていく上で、無くてはならない必要な物ばかりなのに気付いたので、今は学んでいることが誇りになっているし、とても幸せです。
 普段、橋を見ても学校で勉強したものだなと思ったりして、街を見る目が変わってきました。
 小型建設車両を運転できる資格を取得しました、今は、秋の試験で土木施工管理技士の取得を目指し、厚い問題集に取り組んでいます。
(3) 土木職として公務員になり、今以上に街を便利に、そして防災に強い関心があるので、災害に強いまちづくりが出来たらと思っています。災害に強い、被災しても減災となるような建物であれば多くの人々を救うことができるからです。

2年生 久保田彩香(あやか)

(1) 私が住んでいる蒲原は、山と海に挟まれた地域で、小さい頃からお父さんに東海沖地震が発生するという話を聞いていました。私が生活している中で、地震が起きた時、津波や土砂崩れが発生して地域の人や自分が助からないのではないかと心配でした。元々、建築に興味があったので、自分の住んでいる地域のことを考えた結果、人々や家族の役に立てるよう、土木のことを学びたいと思い選びました。
(2) 授業を通して、測量やコンクリートの試験、また、製図で橋のことを学んで、少し、土木のことが分かってきたと思います。
(3) 静岡県に残って、人々がより安心して暮らせるようなことに役立つ仕事に就きたいと思っています。
 具体的な進路は決まっていませんが、建設業に就きたいので学科で取得できる資格は取っていきたいです。

2年生 八木 望方(みなみ)

(1) 中学2年生の頃から建築関係の仕事に興味があり、そうした仕事に就きたいと思っていました。家や、橋など人が喜ぶよう物を造りたいと思い、建築の基礎となる土木を学ぶことが大切であると考え、県内で建築など専門的な分野を学べるので選びました。
(2) 必要な資格は、まだ、取得できていませんが、これから資格が取れるようもっと勉強して、自分の就きたいものに近づけていけたらと思います。将来は、橋とか大きなものを作る建設会社に入りたいと思っています。
(3) 就職するか、専門学校などに進学するかは決めていませんが、人々の生活に役立つような仕事がしたいです。

2年生 森 穂乃花(ほのか)

(1) 中学生の時、科学技術高校の卒業生から今は、女子で土木を選考している人がいないと聞き、自分が土木に携わったらどうなるだろうかと思いました。
 土木のことを調べていくうちに、土木はきついイメージがあって、女子は受け付けない、しかし、女子しかできないところもあるのではないのか、自分が仕事に就いた時、女性目線でまちづくりや住んでいる地域を変えていくことができないだろうかと考えたことが入学のきっかけです。
(2) 今は、クラスに同級生の女子が6人いますが、皆同じことをしている感じですが、今後は、測量士補・土木施工管理技士とかの専門検定が控えており、差が出てくると思います。
 現場監督を目指すには、測量士補・土木施工管理技士は必須であるし、上を目指すには必要であると考えています。
 土木施工管理技士は、クラス全員、測量士補の受験については、任意ですが、来年5月の試験に向けて準備していきたいと思っています。
(3) 大きな夢ですが、1年生の時、家族でフィリピン旅行しました。日本と違い夜間の街は危険であったし、建設現場の機械も日本と比べて劣っていたので、将来、発展途上国に日本の技術を広めていきたいと思っています。

2年生 狩野 吏子(りこ)

(1) 両親が建築業を営んでいるので、最初は建設業に興味がありました。しかし、土木の仕事は目立たないが、建築の土台であるのが土木であることを知って興味が沸いたことから選びました。
(2) 女子が少ないため、男子の意見だけが通りやすい。それに負けまいと思うようになりました。専門教科が多く大変ですが、来年、土木施工管理技士や測量士補の資格を取得したいと考えているのでそれに向けて計画的に勉強していきたいです。
(3) まだ、はっきり決まっていませんが、造園技士になって、公園の緑のデザインに関わりたいと思っています。
 部活は、都市工学研究部で測量を専門的にやっているので、これを仕事に生かせたらいいなと思っています。部員の2年生は全員が女子、3年生は、8月に東海大会があり、1位になれば、11月の全国大会がある。これまでの先輩はいい成績を残しているので頑張りたいです。

2年生 堀池ひかる

(1) 小さい頃から建設、建築に興味がありました。普通高校に進学して大学で学ぶことも考えていたが、オープンキャンパスの時に小型車両系建設機械の免許が取得できることや測量機器の種類が豊富で、また、新しく高級なものばかりで、日本では珍しいGPS付きの測量機器があるなど、その上、校舎が新しくとても魅力的でありました。
 そのほか、中学1年生の時、東日本大震災の影響による計画停電を経験したり、がれきの撤去など土木の力が災害復旧に役立っているのを目の当たりにしたことがきっかけです。
(2) 入学前は、女子がいるか心配だったが、同級生に大勢いて安心しました。学びたかったことが学べているし、部活の都市工学研究部の部活動もあり、毎日がとても楽しいです。
 また、3年生で防災システム工学を学べる機会があるので、ずっと楽しみにしています。
(3) 将来は、土木職として公務員になり、住んでいる人々が色々な意味で住みやすい街を造りたいと思っています。

2年生 清水美沙季(みさき)

(1) 中学3年生の始めの頃、テレビで女性が建設機械を操縦しているのを見て憧れて選びました。
(2) 本校では、3年生で小型車両系建設機械の免許を取得することが必須です。
 また、部活の都市工学研究部で出場した大会で機械操縦をして興味を持ちましたが、ほかに測量にも興味があり、来年5月の測量士補の試験も意識しています。
(3) 将来は、土木技術者として測量や重機を扱い海外で活躍したいです。そのためにも日本で資格を取得し、技術を磨いて海外の人に伝えていきたいです。
 また、現地の建設会社の人と一緒に建物などの建築物を完成せて行きたいと思っています。

静岡県土木施工管理技士会静岡地区による講演会(5月29日、県立科学技術高校で)
提供:(株)建通新聞社

1年生 望月 結女(ゆめ)

(1) 中学生の時、職業に希望があったわけではありませんが、ユンボとか重機の運転に憧れていました。幼い頃から、ミニカーや重機とかが好きで、運転してみたいと中学生の時強く思い、普通高校ではなく好きなことをやれる高校を探していました。
 家は農家で、農作業に重機も必要であり、知り合いに仕事としている人がいて重機は身近でありました。しかし、小さい子供が好きであり、体験学習した経験からも、将来は保育士にもなりたい気持ちもあります。
 家を継ぐため、重機の運転免許を取得しなくてはならないので、当校を選びました。
(3) 今は、測量士に興味もあるが、土木の専門知識がないからよくわかりません。資格を取得したところで将来を決めたいと思いますが、今は保育士になりたい気持ちが強いです。
 一方で、土木系を女子がやったら憧れの的とも思うので、取れる資格は取得したいです。

1年生 田代 蘭(らん)

(1) 中学生の頃、女性をきれいにする化粧品開発技術者に興味がありましたが、都市基盤工学科で学んだ技術で自分が公園を造り、そこで子供たちが楽しんでいる姿もいいなと思い選びました。
 都市基盤工学科の同級生に面白い人が多く、授業中、盛り上がり、毎日が楽しいです。
 また、部活の応援指導部で、チアリーダーをやっています。
(3) 将来は、芸能人の爪が綺麗であることから、ネイリストになりたい。でも、土木系もいいなと思い始めたので、3年間で取得できる資格は取って、その時、また考えたいと思っています。

1年生 畠山 美月(みづき)

(1) 入学して分かりましたが、土木は人のためになっています。災害発生後は、まず初めに動き、がれきを片付けるなど活躍していた。その当時は全部自衛隊がやっていると思っていました。
 6年生の時、被災しました。学校は山の方で津波の被害を受けませんでしたが、学校の周りの海が火に包まれているのを覚えています。
 今、勉強していることで、復興に役に立つ仕事に就けるのではないかと思っています。
(3) 3年後、卒業してどう思っているのか、わかりません。宮城に戻って土木の仕事をしているのかも知れません。

1年生 青貝 花音(かのん)

(1) テレビの東日本大震災の復興ドキュメント番組において、現場で生き生きと活躍する女性監督の姿を見ることがありました。また、建築関係のテレビドラマでの女性の姿を見たり、兄の影響もあり、建物の設計やデザインもいいと思いましたが、モノを造り上げたり、重機を操作する女性の姿に憧れて選びました。
 また、建物の基盤ごと津波に流されるのを見て、強い基盤づくりはどうすればいいのかを学んでみたかった。
 静岡県も東海地震や南海トラフによる大規模地震が想定される中、災害に強い建築物を造るなど土木の技術を身に付けたかったし、災害が起きた時でも自分が活躍できると思いました。
(3) 将来については、土木関係に限定せず、色々なことに関心があります。商業の接客に興味があるので、人と関わる仕事に就きたいと思っていますが、いざという時に土木の技術は役に立つので、今は、土木の力を身に付けておきたいと思います。

1年生 島田 朋香(ともか)

(1) 毎日のように、東日本大震災のニュースを見ていましたが、遠いところの話と思っていました。徐々に復興していく街の姿や立ち直っていく人々を見て自分自身も復興作業に関わりたかったし、都市基盤工学科でその勉強をしたいと思い選びました。
 まだ、深い勉強はしていません。橋やトンネルの建設ことしか学んでいないので、補修や修繕の勉強はしていないのでよくわかりませんが、視野が広がったし、勉強になっています。
 一から造るのも人のためになりますが、復旧作業や元より改善するのも人のためになると思うので頑張りたい。
(3) 東北大震災の現地に行って復興に関与したいとも思いますが、住んでいる静岡県でも台風な どの自然災害が起きています。県内にも危険があるので街を守ったり、元に戻す街づくりに携わりたいと思います。
 自分自身、地震や自然災害が恐ろしいので、どのような被害や対応方法があるのか、災害に対して準備出来ることを学び、土木技術を身に付けて人々のために働きたいです。

1年生 堀 千尋(ちひろ)

(1) 静岡県も地震災害が想定されます、災害により多くの被害者が出るので強い街づくり、命を守る都市にしたいと思いました。
 体験入学で専門的なことも学ぶこともできる上、資格取得が充実していることも考慮して決めました。
(3) 将来は、先輩の姿を見て市役所で働きたいと思っています。
 道路や橋にも興味がありますが、ニュースで土木に携わる女子を見て、静岡で、人々のため、地域のために働きたいです。

1年生 君塚 麻衣(まい)

(1) 東日本大震災がきっかけです。人々が安全に安心して暮らせるまちづくりに興味を持ってこの学科を選びました。
 将来、静岡県も大規模地震が想定されます。復旧・復興に携わる技術者になれば自分たちの街を救えるし、役立つことができると思いました。
(3) 父が建設業に携わっているので、卒業後は建設会社や土木会社に就職し、すぐに街づくりに貢献したいと思います。
 今は、若い人が少ない、男の中で女性がかっこよく働く姿を見せ、人のために働きたいです。