市民団体より「すべて木造のホールを」との陳情があったが、建築基準法の制約で不可能なため、ホールの内装を全面天竜材のリブ（反響壁）とした。

その他、客席・家具など、天竜材を極力採用することを心掛け、木材の持つあたたか味を演出した。

ホール棟が楕円であるため、特に駆体の施工には細心の注意が必要であった。

ホールの内装に天竜材のリブを使用することにより、音響設計による期待値に近付けるためテストを繰り返し行い、その効果をより高めた。

木材の供給は、地元の木材業者から調達するように工事着工前から指導した。

※木材使用量
杉： 152.9m³　桧： 55.8m³　　タモ： 0.4m³　ジャラ： 3.8m³

著名なピアニスト等演奏者の反応は、ホール内装の木リブに音が反響しあいアコーステックな音色を醸し出すのがとてもすばらしい。

入場者の反応は、木のぬくもりが感じられホール、木の香りがする温かい感じのホールなど好評を博している。

なお、リブの塗装には、無公害の塗装を施したため、着工当時にもかかわらずホルムアルデヒドも国の指針を下回る数値であった。