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ちょっと紹介

「鳩レース」

小野 安由さん ((株)小野組 代表取締役)

 
小野 安由さん

めざせ最北の地、稚内1200キロ、グランドナショナル・レース! 私が飼育している鳩のレースのことです。

鳩を飼育するきっかけは、1羽のレース鳩との出会いでした。14年ほど前のことですが、1羽のレース鳩が我が家に迷いこんできました。ひどく疲れていましたので、餌をやるとパクパクとうまそうに食べました。1週間ほど面倒をみてやると元気を取り戻し、飛んで帰って行きました。それから1年ほど経ったある日、同じ鳩がまたやってきて、1週間ほど餌をもらってまた帰って行きました。

このようなことがあって、私は鳩に興味を持ちました。そして鳩を飼育してレースに参加してみたくなりました。今では50羽ほどが我が家に同居しています。

飼育場

鳩というと一般的には公園にいる鳩を想像すると思いますが、レース鳩はそれとは異なります。レース鳩は数世紀の長きにわたって改良淘汰が行われ、帰巣能力と飛翔能力が飛躍的に発達しているのです。

現在鳩レースが盛んなのはヨーロッパです。7月になるとインターナショナル・レースが開催されます。近隣諸国のレース鳩がスペインのバルセロナに集まり、ここから2万数千羽が放たれます。このレースで優勝に輝いた鳩は高い価格で売買されるそうです。

我が国では春と秋の2シーズン、年15回程度鳩レースが開催されます。秋のレースは若鳩を中心としたレースで、100キロから500キロの距離を飛びます。春のレースは100キロから1200キロの距離を飛びます。

レース鳩

鳩レースは、多くの愛鳩家が各自の飼育している鳩を持ち寄って、同一地点から同時に放鳩し、各自の鳩舎に帰るまでの飛行速度を競います。放鳩地から各自の鳩を飼育している鳩舎までの距離を正確に測定し、鳩が帰るのに要した時間で割って1分間のスピード(分速)を出して比較し、どの鳩が一番速いかを競うのです。

気がかりなこともあります。ここ数年、電波障害や鷹、隼等の大型鳥類による被害によって、帰還率が下がっているのです。また、現在日本には約3万人の愛鳩家がいると言われていますが、愛鳩家の数は住宅事情などから年々減ってきているようです。

鳩に限ったことではありませんが、ペットを飼うということは毎日世話をしなければならないので大変ですが、ペットによって私たち人間が癒されることもたくさんあるのです。

鳩レース