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エルミタージュ美術館名作展

 

4月23日からアートギャラリー

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静岡市の政令指定都市への移行を記念して、「エルミタージュ美術館名作展」がJR静岡駅南口にある静岡アートギャラリーで、4月23日から5カ月間にわたり開催されます。


「花の光景」を展覧会のコンセプトに据えた、この名作展はロシア国立エルミタージュ美術館の全面的な協力によって実現し、ムリーリョ・エステバンの「受胎告知」をはじめとした絵画43点、版画50点(半数ずつ入替え)、工芸品35点が展示されます。そこで、同ギャラリーの久保田文雄館長に、記念展にかける意気込みや見どころなどを聞きました。

政令指定都市にふさわしい作品に

久保田館長
久保田館長

市川 まず、記念展を開催することにしたきっかけから。

久保田 静岡市が政令指定都市へ移行するということが具体化してきた時点で、移行を記念した展覧会をやってみたいということが最初にありました。 私どもはこれまでにも、静岡と清水が合併した折には新市誕生記念特別展を開催しましたし、わかふじ国体の開催を記念した展覧会もやってきました。このように市の大きな事業があったときには、その事業と連動し、よりアピールすることを目的とした催しを行っています。政令指定都市への移行は、まさに大きな節目ですから、それにふさわしい作品展の企画を考えたのです。

市川 なぜ、エルミタージュ美術館の作品展にしたのでしょうか。

久保田 小嶋市長が一昨年の8月にロシアへ行かれた際に、エルミタージュ美術館にも立ち寄られました。そんなこともあって、記念行事として同美術館の収蔵品展が開催できれば、各方面に大いにアピールできるのではないかというのがきっかけでしたね。とはいえ、海外から作品を借り受けて展覧会を行うには、準備段階で相当の期間が必要となります。ところが、今回の作品展は準備期間が1年半という短い期間で開催にこぎつけることができました。

市川委員
市川委員

市川 エルミタージュ美術館について少し教えてください。

久保田 まず、ロシアの国立美術館であること。それから、収蔵品が300万点にも及ぶと言われ、フランスのルーブル美術館、イギリスの大英博物館とならんで世界最大級です。

ロシアのサンクトペテルブルグにあり、昔はレニングラードと言われていました。また、エルミタージュ(隠れ家)という名前の由来ですが、ロマノフ王朝のエカテリーナ?世という女帝が、ロシア皇帝の居城であった「冬の宮殿」の一部にエルミタージュという場所をつくって、そこに絵画を飾って私的に楽しんでいたということです。現美術館の名前もそこからきています。

草原の少女
草原の少女

花を通して400年の歴史たん能

花瓶
花瓶

市川 今回の作品展の特徴は。

久保田 特徴であり、見どころでもあるのは、まず、従来の展示会ではあまり例がないのですが、今回は油絵、版画、工芸品が一挙に公開されるということです。それから、作品展のサブタイトルを「花の光景―花でたどるヨーロッパの暮らしと文化―」としておりますように、15世紀末から400年間における西ヨーロッパの広い地域の作品を一度に観ることができます。そして、今後の発展を祈念する政令指定都市移行記念展としても「花」がふさわしいのではないかということから、作品展のモチーフを「花」にしました。400年という時代の流れの中で、花の持つ意味の移り変わりが分かってくると、一層楽しく作品を鑑賞することができるのではないでしょうか。

市川 具体的には、どのような作品が展示されるのですか。

久保田 エルミタージュ美術館の館長さんが「ロシアの国宝をお貸ししましょう」という通り、すばらしい作品がやってきます。例えば、スペインバロック絵画の巨匠であるムリーリョ・エステバンの「受胎告知」やフランスロココ絵画のフランソワ・ブーシェの「ヴィーナスの化粧」、あるいはマティスやマリー・ローランサンの作品もあります。さらに珍しいゴーギャンの版画、工芸品では15世紀末のタペストリー、18世紀の宝石のブーケ、マイセンやセーブルの磁器、ガレの花瓶などを見ることができます。

受胎告知
受胎告知

市川 開催にかける決意を聞かせてください。

久保田 今まで申しましたように、この作品展は小嶋市長をはじめ多くの方のご努力とご支援によって、国際展としては異例の1年半の準備期間で開催できることになりました。静岡市民の皆さまはもちろんのことより多くの人々に足を運んでいただきたいと願っております。また、静岡市が政令指定都市になったことを広くアピールすることと合わせて、静岡が文化都市であるということを認識していただくことも、われわれの使命であると思っています。

guidemap
JR静岡駅南口より徒歩1分 サウスポット静岡3階
開催期間場所
 
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