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(株)ふじおやまの土屋社長らに聞く

インタビューのもよう

国道246号線は、東京・沼津を結ぶ重要な路線であり、地域社会の産業・経済活動に欠かすことの出来ない重要な路線。しかし、主要幹線道路でありながら、ドライバーのためのサービス施設等の不足や、夜間における路肩駐車等の違法駐車、ごみ・悪臭・騒音などが問題となっていました。建設が進められている「道の駅・ふじおやま」では、富士山の裾野に位置する地理的な特性、地域を支える産業の特性などを活用して、地域情報の発信拠点として、また、地域の活性化を目指すとともに、国道246号線を利用するドライバーの休憩施設として計画しています。11月25日のオープンに先立ち、運営会社である(株)ふじおやまの土屋闊正社長と木村英世支配人、小山町商工会の渡邊喜康氏に経緯や将来像などを伺いました。

聞き手/ 林則夫 県建設業協会広報委員 (株)林組代表取締役
永田進 沼津建設業協会広報委員 (株)東静建設代表取締役専務

この場所に道の駅をつくろうということになった経緯を教えてください。

土屋社長
土屋社長

土屋 調査を行ったところ、この国道246号線は日量2万5000台もの車輌が交通しています。しかし、この道路は産業経済道路であるため、その50%近くが大型トラックです。起点である青山から終点の沼津までの区間に一つとして休憩するようなところがないことから、小山・御殿場管内でもゴミやし尿、交通事故、渋滞などが多く発生しています。このような状況を打破すべく陳情活動から始まりました。

渡邊 そもそも平成10年に発足したまちづくり研究会の中で、こうした現状を打破しようと「道の駅部会」をつくることから始まりました。構想が現実のものとなる2年半の間、20回以上の会合を始め、全国20カ所以上の視察、町との勉強会など行い、出来る限りの調査・研究を重ねてきました。また、道の駅の本来の目的は、ドライバーの休息と情報の発信ですが、私達は地域の商業・農業の活性化にも大きく寄与していきたいと考えています。

渡辺さん
渡辺さん

大手のファミレスやファーストフード、全国チェーンの食堂などが御殿場近隣でも乱立し、それに対抗していかなければならないのですが、一つの商工業者が出来ることには限界があります。町の商工業者を50人なり60人なりの一つの組織として販売を行い、商店街の拠点にもしていきたいと考えています。

土屋 道の駅の運営を一任する支配人を決定するにあたり、全国的に募集させてもらいました。日本経済新聞に掲載させて頂いたところ、九州地方から東北地方まで33人の応募がありました。有望な人材が多く、選考は難航しました。その結果、小山町に在住しているということと、デパートの高島屋で38年間勤務されその間にあらゆる部門の部長をされたということで、木村さんに決定させて頂きました。その経験をこの道の駅の運営に生かしてもらえればと考えております。

この道の駅の特徴は?

木村支配人
木村支配人

木村 いろいろなものが特色と言えますが、小山町の特色は水と空気と富士山が最高にきれいですね。商材や商品としては水菜やわさびのような、もともと地元で生産しているものを看板にします。また、この町は県境にあるので、静岡県の物産のほかに神奈川県や山梨県の物産も扱っていきたいと考えています。御殿場市では、全国的に有名なハムやソーセージの会社が数社ありますが、ここに来れば何社もの品物が買えるよう、品数を多く扱っていきます。農産物コーナーではフレッシュ市を行います。地域で農産物を生産している農業者を集めて、出荷組合を作り、事務局を農協が行います。農協は町内に4つの支店があり、出荷組合が農産物店に出荷するシステムをつくります。

林委員
 
永田委員
 

フードコートの調理長は元丸の内ホテルの料理長です。その料理長がレストランで作る24〜25品目のメニューに加え、惣菜関係も扱う予定です。地元の人がおかずを買って家で食べることができるようにしたいですね。パン屋では焼きたてのパンのコーナーを作ります。ドイツパンのパン生地を直輸入し、この場で焼くというスタイルをとります。ドイツパンは非常においしいのですが、日本にはあまりなじみのないパンです。オニオンのパンを始めとしてここにしかないものを20種類以上扱う予定です。

また、地元ではそば粉がとれるので、グレードの高い、地元の素材を使った麺類を提供していきたいですね。

食品については、平日と休日でメニューに変化を持たせ、ターゲットを分けたいと考えています。平日はトラッカーやドライバーで、休日はファミリーをターゲットにする。そういった特徴付けをすることで、トラッカーだけでなく旅行者にも地元の人にも愛される施設にしていきたいと思います。休日に家族で来て頂けると嬉しいですね。

食品コーナー以外では、トヨタやTOKAIなど地元に進出している企業の扱う品物で素晴らしいものが多くあるので、そのようなグッズの紹介・販売も考えています。地元の人の知らないような地場産品が未だ多くあるので、どんどん紹介を兼ねて扱っていきたいですね。4月1日からは、富士スピードウェイがリニューアルされるので、F1カーの展示も行いたいと考えています。

将来像は

木村 小山町としては、グリーンツーリズムやクラインガルテンにつなげ、全体の活性化を図っていく予定もあります。また、様々なイベントを積極的に開催していきたいですね。

私はもともと関西の人間ですが、阪神淡路大震災を経験し、その年の春に東京に転勤になりました。その時に小山町に遊びに来て、この町の素晴らしさを知り、退職後にこの地に移り住んだわけです。富士山と空気と水は素晴らしく、なにものにも変えがたいもの。このような観光資源がありながらあまり生かせていない。もっともっと全国のひとに知ってもらうべきだと思います。

単なる道の駅というものだけでなく、地域の拠点となり、町全体に波及していけばいいですね。これからは生活産業型の道の駅がどんどん増えていくでしょう。そのような道の駅の先駆者としてとしていい例になりたいと思っています。

質問に答える土屋社長(中央)ら

道の駅「ふじおやま」の開駅に期待

国土交通省静岡国道事務所所長 森本 励
国土交通省静岡国道
事務所所長 森本 励

平素より道路行政の推進に対し、ご理解、ご協力いただき厚く御礼申し上げます。

小山町を南北に縦断する一般国道246号は、京浜と中京経済圏を結ぶ重要な路線であり長距離輸送路としての利用、また伊豆、富士、箱根等の観光地帯をひかえていることから交通量が非常に多い状況にあります。しかしながら、国道246号ではドライバーのためのサービス施設の不足や、夜間における路肩駐車等の違法駐車などが課題となっていました。そこで、国道246号の休憩施設として「道の駅」を整備することとなり、富士山の裾野に位置する地理的な特性、地域を支える産業の特性などを活用して、地域情報の発信拠点として、また、地域の活性化のために、国道246号を利用するドライバーの休憩施設として計画され、今年11月の開駅を目指して、小山町と国土交通省が一体的に整備を進めています。

今後も、地域の皆様方の期待にこたえることのできるよう、道路整備を推進してまいる所存でありますので、皆様方のさらなるご支援ご協力をよろしくお願い申し上げます。

11月25日 オープンしました。

※別ウィンドウで表示されます。

追記:2004/12/17掲載

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