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はるの炭れレストラン
はるの炭れレストラン全景
春野建設事業協同組合の西村正則理事長に聞く
西村正則理事長
西村正則理事長

  地元の特産品である「炭」を活用した建設資材の製品化に取り組んでいる春野建設事業協同組合。そんなアイディアは炭れ(すみれ)グッズからどんどん発展し、ついに「はるの炭れレストラン」までオープンしてしまいました。今回はレストラン事業に乗り出した春野建設事業協同組合の西村正則理事長(天竜建設業協会副会長)にレストラン経営の夢を聞きました。
聞き手/清水 充 県建設業協会広報部会委員 (株)神田組代表取締役・天竜協会
環境博での視察がヒントに
春野建設事業協同組合が、炭に目を向け炭製品をつくりだしたきっかけは。
西村 やはり、公共工事等建設業の仕事が減少してきている中、このまま生コン・砂利事業だけに依存していくだけではダメだと思いました。当初の案では阿多古建設事業協同組合さんが実施しているリサイクル事業をなどが浮かびました。案を抱えたまま平成12年5月に開催された環境博を視察に行きました。そこで福岡県で炭を生コンに混入してブロックを製作している団体があり、視察する中、炭を入れたブロックには植生能力、水質浄化の効果などがあることを知りました。ちょうど同じ頃、県土木事務所からも今後は環境製品でなければ河川整備には向かないという話もあり、組合での生コン事業を生かし一部ポーラスの環境型ブロック、さらに研究を重ね全体をポーラス化させていきました。炭自体も近隣工事からでる間伐材をを利用し、製炭炉を使い自分達の手でつくってきました。昨年度は炭を16tぐらい焼き、今年度は20tぐらいを計画しているため500立方メートルぐらいの素材を必要とします。炭がたくさん出ることによってこの地域の山林の所有者に間伐材が還元できれば地域全体の活性化につながると考えられます。しかし、まだまだこれ以上に増やしていかなければ目的に達成しません。
  当初始めた炭事業は、床下のちょう湿材などでの販売が中心でしたが、勉強すればするほど新しい発見と出会え、さらなる案が組合全体で浮かびあがってきました。
インタビューの様子
インタビューの様子
炭で焼いたピザが始まり
炭製品で新たなる活路を見出した中、異業種ともいえるレストラン事業を始めた発想の原点は。
西村 最初、レストランという考えは一切ありませんでした。「炭」というものを知ってもらうにはどうすればいいのか?を考え、炭資料館と製品の展示・販売所として「炭れテラス」をたちあげました。ただこれだけでは、一度見にくれば終わってしまうので、それに関連した物・口コミで人が集められるものをと考え、炭を利用して何か何か何か…の中から本格的な石釜で炭を使って焼いたピザ。これが始まりだったかもしれません。先に開設した「炭れテラス」の中で軽食として炭入り蕎麦を用意していたので、炭入りピザ、炭入りパスタなども研究していきました。
 組合で環境製品をつくっていく中、営業をしていきます。ただ相手先に行って口頭で説明するだけでは、話の真意が伝わらないこともあります。しかし、この「炭れプラザ」に来てもらえば商品を見ながら理解してもらえますし、併設されているブロック工場で炭入りブロックの制作過程、実際の施工実績などを見てもらうことができます。そして「この炭で食事もできる」と知ってもらえれば何よりです。ただ製品の紹介、ただ食事を取るだけでなく一連の流れの中で「炭れプラザ」を知ってもらうことが私達にとって嬉しいことなのです。
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花博にログハウスを出展中
今後の展開は。
西村 今の状態では、ただのレストランで終わってしまいます。せっかく春野町という所は大自然にも恵まれていますので、ここに来れば半日、1日と過ごせるよう炭を使った体験実習型レストランを計画しています。自分で蕎麦を打って、ピザをこねる「来た人が主役になれる」施設を目指しています。
 現在浜名湖花博に組合で販売施工しているログハウスを出展中です。この技術を生かし炭れプラザと同様ログハウス調の建物で体験実習型レストラン施設をつくっていきます。場所は、この炭れプラザの裏手で現在基礎が終わったところです。そして、いま販売している炭入り蕎麦がおかげさまで好評を得ており、他から欲しいという声もありますので、販売できるよう製麺所を体験実習型レストランと併用してつくりたいと考えています。
 組合の中心となる炭れブロックの効果を知ってもらえる植生試験場もつくっていきます。これは、炭が入っていないブロックと炭入りブロックを同じ環境で並べ、実際に違いを見てもらえるような施設です。一目で違いがわかりますから。数値的なものは大学の研究室へ依頼しデータを出してもらうようにしています。
現在、商品化されている炭製品および開発中の製品は。
西村 価格の面もあり、表面をポーラス化したブロックが主流となっています。組合の製品にはすべて炭が混ぜてあり、炭を混ぜることによって通常のコンクリートとの違いを出していかないといけないということが今後の課題となります。公共工事の減少が進む今、あるものの中において特徴を出し、オリジナルの商品を自信もって出していかなければ企業に対抗できませんから。
自然に恵まれた春野をもっとアピール
次のステップとして考えていることは。
西村 将来の夢ですが、春野建設事業協同組合の製品を全国展開し「炭れ製品」を全国で使ってもらえるようになりたいと考えます。長野県でも炭入りブロックは雪を溶解するなどの見解も出ており各地の特色にあった製品化が望めると思います。
 最後に、まだ私の考えだけのものですが、春野町といった自然環境に恵まれた土地柄を生かし教育の場をつくっていきたいと考えます。今後組合員とも協力して形をつくりあげていきます。
シェフの一言 はるの炭れレストラン 住所・営業時間
 はるの炭れレストランは、旬の食材を生かしたパスタ、本格的な石釜で焼いたピザ、手打ち炭入り蕎麦など、他では食べられないバラエティー豊富なメニューを用意させていただいています。ログハウス調建物では、木の香りも心地よく、大自然の中ゆったりした気持ちでくつろげる雰囲気です。リピーターを大切に2度3度足を運んでもらえるよう常に新鮮さを忘れず頑張っていきます。皆さまのご来店をスタッフ一同心よりお待ちしております。
はるの炭れレストランのメニュー例 春野建設事業協同組合のホームページは
こちらをクリック!
http://www.siz-sba.or.jp/haruken/
はるの炭れレストランの
メニュー例
春野町ホームページ
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