第22回　静岡県建設業協会賞－静岡県建設業協会

第22回静岡県建設業協会賞

●第22回土木部門講評

第22回の土木部門には15件の積極的な応募がありました。

第1回審査は協会土木委員が応募書類をもとに行ない、第2回は審査委員が第1回の審査結果により優秀なもの10件に予め絞り込んだ後、現場担当技術者の方々から順に工事概要や現場の進め方等の説明を頂き、質疑の後、施工方法・難易度・工夫・安全管理の観点から採点を実施、最優秀賞1件、優秀賞2件、優良賞3件、特別賞1点を選定致しました。

審査にあたっては工事規模、工種にとらわれず、どのように吟味、工夫、安全管理に配慮がなされているか等を評価しましたが、発注者の設計に対しさらに踏み込んだ現場での技術的な工夫、あるいは工事を円滑に進める上で地元の方々とのコミュニケーションをとるための様々な工夫がなされているのを感じました。

最優秀賞の（株）町組による「平成15年度（主）島田停車場線緊急地方道電線共同溝工事」は工事量に比べて、車両、歩行者の安全性確保や商店街営業への配慮など調整すべき事項が多い現場ですが、技術的な工夫とともに、地域コミュニケーション議事録をこの現場のために作成することなど、現場管理に対する様々な工夫をこらした監督員の熱意と努力が特に高く評価されました。

優秀賞の（株）中村組による「平成15年度（国）1号小立野改良工事」は交通量が非常に多い現場での車線切り回しに関し、安全性確保、工期短縮についての工夫が高く評価されました。

同じく優秀賞の（株）山田組による「西富士道路東平第二高架橋耐震補強工事」は狭い場所で道路の交通を確保しながら行う工事の仮設工法について、より高い施工性を求めた工夫が高く評価されました。

優良賞の3点ですが、小野建設（株）による「平成15年度県単農道整備（重点）大竹笹原地区1工事」は周辺農地への影響への配慮、地盤改良工法への工夫が評価されました。

杉浦建設（株）による「平成15年度二級河川本郷川河川改良工事その2」は人家に囲まれた狭い現場での確実な施工と、住民と常によく対話しその結果を発注者に伝え工事成果に反映させる等の点が評価されました。

須山建設（株）による「平成15年度天竜川匂坂護岸整備工事」は施工例が少ない新工法の施工管理、出来形管理などに対する工夫、自然環境学習に関する地域貢献が評価されました。

特別賞の大石建設（株）による「平成16年度（一）住吉金谷線舗装補修工事」は舗装構成に関する変更提案など、性能規定方式の優れた面を生かす高い技術力が評価されました。

今回受賞された工事担当者のご努力に敬意を表するとともに、今後ともその優れた技術力を発揮され、ご活躍いただくようお祈り申し上げます。

●第22回建築部門講評

第22回（平成17年度）社団法人静岡県建設業協会賞「建築部門」の応募は、民間3、法人2、公共6の計11作品で昨年度より4作品減でした。審査は、予備審査を協会の建築委員会のメンバーで行います。その後、本審査を（社）日本建築士連合会顧問の山梨清松氏を委員長に、ほか国土交通省、静岡県の職員各1名、協会から3名の計6名の審査員により応募された全作品を書類審査し、受賞該当作品候補を絞り込み、現地調査、ヒアリング等を行い、施工方法（施工計画）、難易度（条件、場所、環境、構造、工期、工夫）、安全管理（無事故）、メンテナンス等の項目をチェックし、審査会議で慎重に審議した後、最優秀賞1点、優秀賞2点、優良賞3点を選び、結果を協会長に答申し受賞者を決定しました。今回、山梨清松氏が欠席されたため、代行として不肖私が各審査員の評価を含め講評させていただきました。

最優秀賞の平井工業（株）施工による「平成16年度電源立地地域対策交付金事業御前崎小学校授業棟改築工事は、平面各階の北面が半径105メートルの緩やかな曲面となっており、屋上の円形展望台を含め柱、梁がコンクリート打放しで、型枠、鉄筋の組み立て、出来形等要求される精度もかなり厳しく、難度の高い工事を克服した努力が高く評価されました。

優秀賞の須山建設（株）施工による「浜松市立大平台小学校校舎新築工事」は、新興住宅地の一角に新設されたので周囲に対し万全の配慮がなされ、また施工上においてはVE提案を積極的に行い採用されるなどその技術レベルは信頼とともに高く評価されるものでした。惜しくも最優秀賞に選ばれませんでしたが甲、乙つけ難い作品でありました。

優秀賞の（株）石井組施工による「するが幼稚園（A棟）新築工事」は、敷地が狭く、その上既存の2棟に挟まれた工事現場であったため、園児の安全と周囲の環境に充分配慮し綿密な施工計画を立て、細心の注意を払い完成させました。園舎は、女性設計者の設計によるものした。いたずらに施工を難しくしたような印象を受けた建物でありましたが、これをいろいろと工夫し難問を克服し完成させた努力の伺われる作品でありました。

優良賞の河津建設（株）施工による「ホテル観音温泉増改築工事」は、山間部の立地条件のかなり悪い場所でしかも既存温泉施設が開業中という悪条件の中、綿密な施工計画のもと8ヶ月弱の短い工期で無事故、無災害で完成させた努力が評価されました。

優良賞の大河原建設（株）施工による「しのはら産婦人科医院建設工事」は、建築主，設計監理者、施工業者の着工前及び工事中のコミュニケーションが良く図られた結果、細部にわたり出来映えを良くした良い例だと思いました。

優良賞の（株）川島組の施工による「平成16年度道の駅物産販売所建築工事」は、日坂バイパスに面して造られたものでありますが、通過するドライバーの目を引く特徴のある建物で、施工計画、安全管理に十分配慮し完成されたものでした。

平成18年度は県下各地域から多くの作品が応募されることを期待します。